映論言いたい放題 Film 197 「TENET テネット」

TENET テネット
映論言いたい放題

映画「TENET テネット」
2020年9月18日 公開
2021年1月8日 ブルーレイ&DVDリリース
■監督・脚本:クリストファー・ノーラン
■出演:ジョン・デイビッド・ワシントン/ロバート・パティンソン/エリザベス・デビッキ/ケネス・ブラナー/ディンプル・カパディア/アーロン・テイラー=ジョンソン/ヒメーシュ・パテル/クレマンス・ポエジー/マイケル・ケイン
■あらすじ:ウクライナのオペラハウスでテロ事件が発生する。対処にあたった特殊部隊に参加していた名もなき男が、フェイと名乗る謎の男からエージェントとしてスカウトされる。彼に託された任務は未来の装置「時間の逆行」を使い、第三次世界大戦を防ぐという重大なものだった。混乱する彼にフェイは「TENET(テネット)」というキーワードを忘れるなという不思議な言葉を告げる。
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc.
合評参加者:
 功刀弘暁(T・ジョイ長岡 支配人)
 池田直樹(T・ジョイ長岡 映写担当)
 akko(ムーヴィーズゴー!ゴー! ナビゲーター)
 和田竜哉(ムーヴィーズゴー!ゴー! ディレクター)
FMながおか(80.7MHz)「ムーヴィーズゴー!ゴー!」毎週木曜18時30分より インターネットラジオでも聴けます!

akko:2020年はコロナ禍で劇場で洋画の大作があまり上映されなかった年でした。

功刀:そうですね。この映画も公開が危ぶまれたのですが、日本では予定通り公開されました。

和田:導入部の劇場でのテロシーンはすごかった。迫力と没入感が期待以上で、これはすごいものになると思ったんですが、その後の展開では頭に「?」がいくつも浮かんでしまって……。

功刀:僕は何だかとんでもないすごいものを観せられているという感覚があって、ずっと興奮していました。

池田:自分は上映最終日に観ちゃったんですよ。だから「何だこれは?」と思って、もう一度観直そうしたんですが、出来なかったんですよね。

功刀:何回見ても理解できない部分は残りそうですよね。テネットを何度も観ることを「テネる」なんて言って、それに掛けた「テネるカード」の配布も上映期間の途中にありました。

池田:劇場スタッフの中には「5テネ」した人もいましたよ。確かに初見では思考が追いつかないし、展開も早い作品でしたよね。

和田:それで僕は集中力が途切れちゃって、だんだん冷めてしまったんですよ。

akko:これはタイムリープものですが、今までの作品と相当違っていましたよね。

和田:前例のない表現や内容に挑戦する姿勢はすごいと思います。

池田:タイムリープ好きの自分にとっては最高の作品でした。普通は主人公が過去か未来に行くというのが定番ですが、この映画は「時間の逆行」ということで今の自分と未来の自分が同時進行で交差していくんですよね。

akko:ネタバレに近くなるので言えませんが、タイムリープものの禁じ手を使ってきたときには「そんな展開ありか!」と驚きました。

池田:観返す時間がなかったので、ネットでネタバレサイトを見たら、図解されていて非常に分かりやすかったです。

和田:そうですか。ノーラン監督の作品は好きなんですが、今回の映画は妙に理屈っぽくて、あまり乗れませんでした。

akko:ああ、私もそうです。「インターステラー」を観たときの感動や「インセプション」を観たときの驚愕、両方をこれ1本で味わえると思ったんですが……。

功刀:僕は、この作品には強い衝撃を受けました。観ているときに、まるで息も出来ないくらいの感じで、皆が画面に集中しているのが伝わってきて、劇場に不思議な一体感が流れたんですよ。これだけの映像体験ができる作品はなかなかないですよ。

池田:観た後に誰かと語りたくなる作品でしたよね。あれはどうなっているんだ?どうだったのかと、気になる部分が多すぎます。

功刀:ソフトリリースされたら購入して、もう1度ゆっくり見直してみたいと思います。(了)

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©2020 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.

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©2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

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