映論言いたい放題 Film 218 もっと超越した所へ。
『もっと超越した所へ。』
2022年10月14日公開
■監督:山岸聖太(さんた)
■原作・脚本:根本宗子(しゅうこ)
■出演:前田敦子(岡崎真知子・デザイナー)/菊池風磨(朝井怜人・ヒモストリーマー)/伊藤万理華(安西美和・ギャル)/オカモトレイジ(万城目泰造・フリーター)/黒川芽以(北川七瀬・シングルマザー風俗嬢)/三浦貴大(飯島慎太郎・落ちぶれた俳優)/趣里(櫻井鈴・子役上がりタレント)/千葉雄大(星川富・あざと可愛いボンボン)
■あらすじ:それなりに幸せな日々を送る4組のカップルたち。いずれも共通しているのは女性がしっかりしていて、男性側にちょっぴり問題があること。ただ一緒にいたいだけなのに、少しずつすれ違いついに爆発。やがて互いの意外な秘密が明らかになっていく。
© 2022「もっと超越した所へ。」製作委員会
合評参加者:
大竹文惠(T・ジョイ長岡 映写担当)
akko(「ムーヴィーズゴー!ゴー!」「週刊シネマガイド」出演)
和田竜哉(「ムーヴィーズゴー!ゴー!」ディレクター、「週刊シネマガイド」出演)
※「ムーヴィーズゴー!ゴー!」FMながおか(80.7MHz)毎週木曜18時30分より インターネットラジオでも聴けます!
※「週刊シネマガイド」ケーブルテレビNCT 11ch、「ちょりっぷナビゲーション」内で放送
大竹:めちゃくちゃ面白かった!私は好きな作品です。最初のお米を研ぐシーンがありますよね。4人それぞれの環境が違っていて、面白かったです。
akko:日本人なら誰もが生活に欠かせないお米というアイテムで見せるあたりがね、うまいですよねえ。
和田:ごはんを作って食べる、人の営みの基本が象徴的に使われていますよね。
akko:見る人によって受け止め方が違う映画ではないか、という映評を読んだのですが、大竹さんとしてはいかがでしたか?
大竹:ネタバレを避けたいので、ちょっと表現しにくいですが「2年間で人はそんなに変わらないだろう」と思いました。女性は強くて、男性は弱いなあとか。
和田:男って結局バカな生きものなんですよ(笑)それにしても、付き合う相手が変わると女性はこうも変わるのかというのが驚きでした。
akko:私も同じことを感じました。恋人同士の修羅場とか、結婚相手との離婚とか、トラブルがあると「相手のせいにするな」とか言いますよね。でもこの映画を観ると「いや、別の相手なら、そんなことにならかったんじゃないか」と思わされました。
大竹:なんだか女性だけが我慢するのか、というのが少し気になりました。
akko:ところでこれは、脚本を手掛けた根本宗子さんの舞台の映画化なんですよね。
和田:映画なのに劇場で上演されているお芝居のような、高揚感のある作品でしたね。前田敦子さんの声量にも驚きました。ちょっと耳が痛くなるくらいで。
akko:予告編でも、前田さんが叫ぶシーンは登場していましたね。「私たちが多くを望まなければっ!」「もっと超越したところへ!」ってタイトルの言葉入りで。
和田:タイトルの意味は終わりのほうで分かる仕掛けでしたね。このままありきたりな結末で終わってしまうのかと思いきや、終盤は舞台人ならではという怒濤の展開の連続で、やられました。
大竹:彼女たちがどんどんヒートアップしていくシーンは良かったですね。あのシーンに限らず舞台的な演出が何度もあって、すごくいいなあと思いました。舞台が好きな人にはおすすめですね。
akko:公開が終わった後に、再演してくれたら舞台のほうも見てみたいです。この映画、コロナ禍の世界も描いていて、そのあたりもよかったですよね。
大竹:時代を反映していましたよね。何年か経って、あの頃を思い出したらきっと「ああ、そうだったよね」と感じると思います。
akko:いろんなカップルが登場しますが、私は千葉雄大さん扮するゲイの彼氏がすごいよかったです。なんか千葉さんも水を得た魚のような感じで、見事にはまっていました。
大竹:私はとにかく前田敦子さんの最後の長いセリフにグッと来ました。「生きていくのは大変だ」って。その2年間を乗り越えて今があるわけで。彼女の成長を感じる言葉でしたね。
和田:そして爆発後の見事なまでの大団円。あっと驚く仕掛けが待っていましたね。
大竹:終わり方がとにかくすごい。いやあ、ネタバレになるから言えないのがもどかしい。本当に面白かった。
和田:破局を迎えそうなカップルは、ぜひこれを見て納得行くまで話し合ってください。
T・ジョイ長岡 2022年11月オススメ映画
『チケット・トゥ・パラダイス』
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© 2022「すずめの戸締まり」製作委員会