映論言いたい放題 Film 196 「Red」
映画「Red」
10月2日 セル&レンタル開始
■監督:三島有紀子
■出演:夏帆/妻夫木聡/間宮祥太郎
■解説:可愛い娘、エリートの夫、豪奢な一軒家。専業主婦の塔子は誰もがうらやむ生活を手にしていたはずだった。しかしかつての恋人・鞍田と偶然の再会を果たしたことから、塔子は心に抱えていたやり場のない気持ちを彼との情事にぶつけていく。直木賞作家・島本理生の同名小説の映画化。
©2020『Red』製作委員会
月刊マイスキップ 2020年11月号 vol.238 より転載
合評参加者:
三浦佳子(T・ジョイ長岡 映写担当)
akko(FMながおか ムーヴィーズゴー!ゴー! ナビゲーター 木曜18:30)
和田竜哉(ムーヴィーズゴー!ゴー! ディレクター)
三浦:じつは最初、この映画のことを誤解していたんですよ。エリートの旦那と元彼、タイプの違うイケメンふたりの間で揺れる恵まれた専業主婦ということで「世の奥様方の願望を叶える」ような作品かと……。
akko:内容を知らずに、このハンサム2人との板挟みと捉えるとそうですねえ。
三浦:でも実際の彼女は夫や義母に気を遣って、自分を殺して。結構ストレスのたまる暮らしをしていましたね。
akko:微妙にボタンを掛け違っているような家族でしたよね。
和田:三島監督は映像美にこだわる方で、オープニングの赤い布がトラックからはずれて風ではためくシーンは何度も撮り直しがあったそうですよ。
三浦:ああ、あのシーンは印象的でしたよね。
akko:これ新潟ロケ作品なんですが、気付きましたか?
三浦:山の稜線が「新潟っぽいなあ」とは思いましたが、分かりませんでした。
和田:あのオープニングは長岡市妙見町から少しだけ小千谷市に入ったところなので「長岡ロケ」とは言えないんですよ。
akko:酒蔵のシーンは妙高市の「君の井酒造」でした。
和田:あとドライブインは十日町市儀明の「峠の茶屋 蔵」、塔子と鞍田が立ち寄るガソリンスタンドは国道117号線沿いの小千谷市真人町です。
三浦:長岡での撮影はなかったんですか?
和田:小雪だったせいでいろいろロケ先が変更になっちゃって。さらに山古志で撮ったシーンはカットされたそうです……。
三浦:ああ、それは残念でしたね。
akko:塔子の生き方、どう感じましたか?
三浦:大なり小なり、皆が心に抱えている闇や澱のようなものを描いていますよね。おそらく観賞した人は何かしら共感できる部分があるように思います。
和田:ラストが原作と違うんですよ。
akko:あれはまさかの衝撃的展開でした。
和田:綺麗事で終わらせなかったのはさすがですよね。県内ロケのチェックも兼ねて、ぜひDVDでゆっくり見てほしい作品ですね。(了)
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