キュンキュンが止まらない…☆「サンリオ展」で可愛い萌え at 新潟県立万代島美術館
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日本のみならず世界中の女の子を虜にしているサンリオキャラクターたち。
ハローキティ、リトルツインスター、マイメロディ、シナモロール、ポムポムプリンなどなど、これまでに450以上のキャラを世に送り出してきた。
今回の展覧会ではビッグキャラクターだけでなく、なつかしキャラやマイナーキャラにもスポットを当てており、日本の「カワイイ」文化の基礎となったと言っても過言ではないサンリオの歴史をひもときながら、世代を超えて愛されるその魅力にせまるという展示になっている。
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「カワイイ」のはじまりについて
会場に入ると目を引くのが増田セバスチャン氏による、天井まで届く大きなシンボリックアート「Unforgettable Tower」だ。形がアンバランスなのはなぜか、一体それが表すものとは?会場には増田セバスチャン氏が語るビデオが流されているので、実際に作品を見て感じて、確認してほしい。
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最初のテーマは「カワイイのはじまり」だ。そもそもサンリオが誕生したのは今から60年以上前のこと。1960年に創業された山梨シルクセンターという会社がその原点だ。いちご柄をあしらった雑貨が大ヒットしたことで「カワイイ」という価値観で商品開発をするようになったのだ。
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1966年には、アンパンマンでおなじみのやなせたかしの詩集「愛する歌」を世に送り出すため、出版部をスタート。水森亜土、内藤ルネ、田村セツコなどの本を次々と販売していった。またこれら人気作家のイラストをベースにしたグッズも展開した。
しかし人気作家の作品は魅力的ではあるものの、もともとは商品化を前提に描かれたものではない。次第に開発に手詰まり感を覚えるようになってきた。そのときに活路を見いだしたのがオリジナルキャラクターの開発だった。1973年には社名を「サンリオ」に変更。ちなみにこれは聖なる河(San Rio=Saint River)に由来したもので「人類が河のほとりで文化を築いたように、サンリオに集う人々が互いに思いやり、仲良く暮らすコミュニティを作りたい」という願いが込められている。
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当時は今と違いPCが導入されていない時代。そのためデザインは多くの手作業を経ていた。その様子がイラストや写真付きで解説されているパネルは、まさにキャラクター誕生の瞬間を垣間見るようでワクワク!
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思わず声をあげそうになったのがオフィスの展示だ。星があしらわれたキュートな屋根、アーチ型にくり抜いた入り口の向こうには作業デスク。実はこれ、かつてのデザイン制作室なのだ。なんと社内にはデザイナーごとに「家」が建てられ、そこで仕事をしていたのだとか。さらに週末になるとファンを招いて交流会も行われていたそうな。嗚呼!!もし当時の私が招かれていたら、喜びのあまりキュン死していたのではないかというくらい興奮してしまう展示だった。
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愛されるキャラクターたち
第2章は「サンリオのキャラクター」紹介のコーナーだ。
キャラクターたちが「外国風」「ノンキャラ」「ファッション」などさまざまにジャンル分けされて紹介されている。
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その中から主だったキャラをピックアップして壁に沿って大きく展示。
パティ&ジミーは日本の「70年代アメリカへの憧れ」を背景に誕生したキャラと解説があった。またそこには「ウーマンリブ」などのムーブメントを意識した思いもあったそう。
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マイメロディの原画の前でキューン!こちらは作者が後年にリライトした鉛筆色彩画になる。
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サンリオ発行の情報紙「いちご新聞」を通じて人気者になったキャラ第1号の「リトルツインスター」。子ども時代には私を含めみんなが「キキララ」と呼んでいたことを懐かしく思い出した。
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過去キャラたちから気になったものをいくつかご紹介。
白黒で作られた犬のキャラ「ブランフォンセ」
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一方こちらは、カラフルな犬「キックスタッフ」。カワイイ!!
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ファンと共にあり続けるサンリオ
次の展示は「ソーシャル・コミュニケーション・ビジネス」だ。
サンリオはただ「カワイイ」キャラを世に送り出してきただけではない。
情報誌「いちご新聞」ではキャラクター紹介はもちろん、ラブレターの書き方、制服の着こなし、友だちづきあいなど、ファンの子たちに対して相談窓口や人生指南のような役割も果たしてきたのだ。
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過去記事がいくつか展示されており、思わずじっくりと読んでしまった。
今ならインターネットがあるので欲しいものがワンクリックで購入できるが、私が子どもの頃は全く違っていた。近所にサンリオショップがないため、「いちご新聞」はサンリオを身近に感じる貴重な存在だった。手に入れた何部かを大事に取っておいて、何度も何度も繰り返し大切に読んだことを思い出した。
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本展の監修を担当したサンリオの高桑秀樹さんは、1995年から2013年までおよそ20年にわたって「いちご新聞」の編集長を務めた人物だ。
いちご新聞はサンリオとそのファンをつなぐ大切な存在でもあった。読者たちは「いちごメイト」という愛称で呼ばれており、読者参加型のメディアでもあった。彼ら彼女たちの声が反映されて、サンリオに大きな影響を与えたこともある。「例えばかつて田園調布にあった『いちごのお家』(正式名称「ボタンノーズといちごのお家」)は千日間限定の実験店舗でしたが、ファンの方たちからの熱い声に応えて会社は営業存続を決定しました。サンリオはファンの女の子たちに寄り添いながら共に成長してきた会社なんです」と話した。
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下の写真がその時の様子を伝えるいちご新聞だ。紙上で「いちごのお家」存続を提言。ファンからの声を募った。その思いは実り、最終的に建物が老朽化する2011年まで営業が続けられた。
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世界中で愛されるメガヒットキャラ、ハローキティ
そして、次の展示はサンリオを代表するキャラクター、キティちゃんの大特集「ハローキティヒストリー」だ。どーんと巨大なキティちゃんとご対面。
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キティちゃんのフルネームって何?血液型は?お誕生日は?特技って何だろう?どこで暮らしているかな?そんな気になる詳細なプロフィールがバッチリ紹介されている。
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ハローキティーは1974年にデビュー。きっかけは下の写真のプチパースだった。
当初は5種類キャラグッズとして販売されたものの、キティちゃんだけダントツ人気だったため、単体キャラクターとしてデビューが決まったのだ。
このパースかどうかは定かではないが、上が透明になったキティちゃんのがま口パースを持っていたことを思い出した。ああ、なんて懐かしい…としみじみ感慨に浸ってしまった。
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長く愛されたキャラクターゆえ、デザインをアイコン化しても認識してもらえるほどにまで「ハローキティ」は浸透した。それが分かるデザインとして会場にはキティちゃんの象徴であるリボンだけを象ったグッズなども展示されていた。
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ハローキティは海外セレブからも愛されている。写真奥のドレスはレディ・ガガが身に着けたドレスを再現したもので、たくさんのキティちゃんがあしらわれている。
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アーティストとコラボした作品たち
サンリオのキャラクターとアーティストがコラボした作品も展示されている。
ホラグチ カヨさんの「make someone’s day」には美しい自然の中、笑顔で幸せに過ごせる日々がいつまでもいつまでも続きますようにという願いが込められている。
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こちらは、いきもの達の平和な楽園の彫刻作品「My favorite place」だ。
ほかにもさまざまなアートがあり、それぞれにメッセージが込められていて見応えがあった。キャラクターが、別のアーティストとコラボすることで新たな意味を持つ芸術作品へとなっていく。まさにアートの面白さや醍醐味を感じられる展示コーナーだ。
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「カワイイ」が作っていく未来と伝えたいメッセージ
エピローグは「カワイイがつくる未来」だ。
サンリオの創設者(現会長)辻信太郎さんは第二次大戦中、17歳の少年だった。幼い妹を背負って空襲から逃げたときの経験から二度と戦争を繰り返してはいけないという平和への強い思いがある。「そのためには思いやりを持って生きていく必要がある。戦争をしないためのビジネスとは何か」それがサンリオのベースに流れる思いなのだとか。
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キティちゃんのリボンは「世界中の人たちを結ぶなかよくのシンボル」と言われている。
辻さんは毎年8月になると「いちごの王様」としていちご新聞に戦争体験を取り上げ、この国で戦争があったことを忘れずにいてほしいと、いちごメイトたちに伝えているのだ。60年紡ぎ続けてきた「カワイイ文化」に込められたその意味や意義とは一体何なのか。ぜひじっくりと受け止めてほしい展示だ。
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会場の最後にはフォトスポットがあり、参加型のデジタル展示が用意されていた。
画面をポンポン飛び回るモコモコの雲に触ると、歴代のキャラクターたちに変身!童心に返って、何度も飛び跳ねて思わず夢中になってしまった。
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ああ、それにしても何て可愛らしく、楽しい展覧会なのだろうか。
監修の高桑さんから「サンリオのカワイイは、サンリオショップのお客さまや、キャラクターを愛するファンの皆さんと一緒に作ってきたものです。この展覧会を通してサンリオを愛してきたあなたたちこそが『カワイイ』文化のステージの主役だったということを感じていただけたらうれしく思います。ぜひ友だちや親子連れなど複数で来場して、鑑賞後にいろいろと語り合っていただけたら、より楽しめると思います」と鑑賞アドバイスをいただいた。
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実は昨年すでに東京会場で見ており、新潟展は2度目の観賞なのだが、さらにもう1度見に行きたくなってしまった。カワイイ!と胸キュンしたときには、誰かとその感情を共有したくなるもの。ぜひ仲の良い人たちを誘って、この最高にカワイイ世界を堪能してほしい。
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新潟県立万代島美術館
「サンリオ展 〜 ニッポンのカワイイ文化60年史 〜」2022年1月20日〜4月10日
新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階 TEL:025-290-6655
休館日:1/24 (月)、31 (月)、2/7 (月)、14 (月)、28 (月)、3/7 (月)、14 (月)
午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
入館料:一般1,600円、大学・高校生1,300円、中学生以下無料