サンエックス90周年 うちのコたちの大展覧会 at Befcoばかうけ展望室

アート・展覧会

たれぱんだ、リラックマ、すみっコぐらし…誰もが知っている愛すべきキャラクターたちを生みだしてきたサンエックスの、創業90周年を記念した展覧会が、ホテル日航新潟31階にあるBefcoばかうけ展望室で開催中だ。1932年の創業以来、これまでサンエックスが生みだしてきたキャラクターシリーズはなんと1,000以上! 会場入り口では、歴代の人気キャラたちがお出迎えしてくれた。

サンエックスの人気キャラたちがお出迎え

巨大なたれぱんだに癒やされる

サンエックスのキャラクターで埋め尽くされた会場は、大きく分けると5つのコーナーで構成されている。たれぱんだ、リラックマ、そして、すみっコぐらしの3大人気キャラを、大きく紹介。それらをはじめとするキャラたちがどのように誕生したのか舞台裏を明かしつつ、次世代を担う新キャラたちも紹介…という構成だ。もちろん歴代の数々のキャラたちも紹介されているので、自分の推しキャラがどこにいるのか、探してみるのも楽しい。ちなみに今回の展覧会は、一部動画を除いて全て撮影OKだ。

最初のコーナーは「たれぱんだ」。会場に入るとドーン!と大きなたれぱんだが横たわっている。もふもふ感、まんまる感がたまらない。

巨大なたれぱんだにビックリ!思わずナデナデしたくなるが、残念ながらタッチはNG

たれぱんだが発売されたのは1998年7月だが、その3年前にシールデザインとしてすでに誕生していたというエピソードが明かされていた。原画も展示されており、その緻密さと筆致の繊細さに驚く。もはやキャラデザインというよりは、アート作品ではないかと思うほどだ。

たれぱんだ煩悩シリーズの原画。パソコンの前でだらだら、甘い物を食べてだらだら、いろんな煩悩が描かれている

1990年以降にデビューしたキャラたちも、複数展示されていた。

にゃんにゃんにゃんこのグッズコーナー。ハンバーガーにはさまれた小さなぬいぐるみを、とても大事にしていたことを思い出して胸キュン

リラックマもたっぷり!

次のコーナーではリラックマ、コリラックマ、キイロイトリ、チャイロイコグマが勢揃いでお出迎え。テレビを観てごろーんと横たわっている昭和のお父さんのようなスタイルが、らしくて良い。

リラックマは毎日だらだらゴロゴロしているという

リラックマが誕生したのは2003年。20年以上経つ今も根強い人気を保っているすごいクマなのだ。サンエックスは文房具を中心に商品展開してきたが、たれぱんだをきっかけに、ぬいぐるみ作りにも積極的に乗り出すようになったそうだ。もちろんリラックマも今までたくさんのぬいぐるみが作られてきた。その開発についての展示もある。デザイン画、細かい制作指示が書かれた書類、それを元に作られた実物が展示されており、ぬいぐるみができるまでの過程が、一目で分かるようになっている。

フェレットの衣装を被ったリラックマのぬいぐるみが出来るまで

他にもアフロ犬、みかんぼうやなど、懐かしいキャラたちも展示されていた。アフロ犬はかつてはまってしまい、書籍を購入したことを思い出した。会場ではどこからか、若い女性の「あ、これ知ってる!」とうれしそうに話す声が聞こえてきた。

みかんぼうやのコーナー。キャラの説明からグッズ展開まで、丁寧に解説展示されていた

次のコーナーではまたまたリラックマたちがお出迎え。圧巻は「あつめてぬいぐるみコレクション」。これはコレクションする楽しみをコンセプトに作られたシリーズだ。テーマがあり、星占いの12星座に扮したもの、サンタクロースの格好したもの、夏祭りに遊びに行ったスタイルのものなどなど。服装に目を奪われがちだが、洋服に隠れて見えない部分にまでこだわって作っているそうだ。

数あるリラックマぬいぐるみの中から200体をピックアップ

今回の展示で個人的に一番感動したのが下の写真のコーナー。リラックマたちと一緒に暮らしていると想像しながら撮影したフォトシリーズ「リラックマがいる暮らし」だ。一連の写真はリラックマ公式Instagramにアップされた。始まったのは2021年4月から。当時はコロナ禍真っ只中。特別な場所に行けなくても、大きなイベントがなくても、私たちは今ここに生きている。何気ない平凡な日常も、見方を変えれば小さなハピネスにあふれているんだよ…と小さいクマたちが教えてくれている気がした。

愛らしさに和み、添えられた小さな一言に心震わせ…。感動的な展示だ

お次は「すみっコぐらしの生まれたところの話」のコーナー。こちらにもラフスケッチや原画などの手描きの展示があった。それにしてもこれがラフなのか?という完成度の高さにビックリ!

キャラクターのさまざまな動きや、前後左右から見た状態を想定したラフスケッチ

初期のデザインカンプなども展示。これらの資料は、ファンにとっては「大好きなタレントの駆け出しの頃を垣間見たような気分」になれるのでは?と想像してしまった。

すみっコぐらしの初期のカンプ

新旧キャラが勢揃い

サンエックスは1,000以上のキャラクターシリーズを世に送り出してきた。それを一同に見られる展示もあった。可愛い文房具に心惹かれ、少ないお小遣いと相談しながら、買い物をしていた頃を思い出してしまった。もちろん購入したものは大切に使った。どのキャラクターにも、かつて子どもだった人たちの、そんな思い出があるのだろうなと考えながら、じっくりと見入ってしまった。

サンエックスのキャラクターの数々。自分のお気に入りがきっと見付かるはず

「リラックマの生まれたところの話」というコーナーは、ファン必見のすごい展示がずらり。当時作者は、仕事の多忙ぶりに疲れ切っていたという。その頃は空前のペットブームで「私もチワワみたいに飼い主に面倒みてもらいたい」と思ったのがきっかけで、あのゴロゴロゆるゆるキャラが生まれたのだそうだ。

リラックマ誕生の初回カンプ。ここから始まった

サンエックスのお仕事現場を紹介する展示もあった。

サンエックスのデザイン室を紹介する展示

すみっコぐらしの「てのりぬいぐるみコレクション」のコーナーは、余りの愛らしさにしばらく壁の前を離れられなかった。

いつまでも見ていたいほどの可愛さだ

「あたらしいなかまたち」ではニューフェースのキャラたちが多数展示されていた。たれぱんだも、リラックマも、すみっコぐらしも、こんな風にデビューしたばかりの頃があったのだ。芸能界の「ネクストスターを探せ!」気分でいろいろと見てしまった。

「げっし〜ず」という齧歯目をキャラ化したもの

下のモザイク画のような作品。実は膨大なキャラのイラストを使って表現したもの。
それぞれのキャラが一つになってサンエックスが出来ているということが、一目で伝わる展示だ。

遠くから、近くから、眺めてみてほしい

ショップやカフェも充実

充実のミュージアムショップ

たっぷり楽しんだ後は、コラボカフェでゆっくり。今回の展覧会は巡回展で新潟は10会場目なのだが、なんとコラボカフェは東京会場以来の2会場目なのだ。場所は朱鷺メッセ2階のアトリウム。なおカフェには通常の席とリラックマソファ席の2タイプがあり、予約時に選べるようになっている。

こちらがリラックマソファ席。テーブルに並んでいるのはメニューの一例

提供メニューは、全品テイクアウトできる。うちのコたちのオムライス丼(1,400円/スーベニアどんぶり付き3,200円)、リラックマロコモコ丼(1,400円/スーベニアどんぶり付き3,200円)や、プリン・リラックマ(800円/スーベニア豆皿付き1,500円)など食事メニューからスイーツまで用意されており、すべてが何かしらのキャラとコラボしているのがうれしい。

ドーナツ ねこ(650円)、プリン リラックマ(800円)、オレンジジュース(850円)

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サンエックス90周年 うちのコたちの大展覧会 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし~みんなの生まれたところの話~
会期:2024年9月21日(土)~11月4日(月・振休)
会場:ホテル日航新潟 31階 Befcoばかうけ展望室
   新潟市中央区万代島5番1号 TEL:025-240-1884(平時10〜17時)
時間:【月~木】12時~17時(最終入場:16時30分)
   【金曜日】12時~20時(最終入場:19時30分)
   【土日祝】10時~17時(最終入場:16時30分)
料金:大人1,300円/中高生1,000円/3歳から小学生800円/2歳以下無料

和田明子 Akiko Wada

リバティデザインスタジオスタッフ/かわいいもの探求家。 新潟日報「おとなプラス」、県観光協会のサイト、旅行情報サイトなどさまざまな媒体にライターとして寄稿し...

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